|
|
友人から聞いた話です。ある女の子が入院中のおばあさんのお見舞いに行くと、しきりにおばあさんが「大丈夫よ、私が身代わりになるからね」と言うのです。彼女は「なんのこと?」とおばあさんに尋ねますが、おばあさんはほほ笑むだけで、「大丈夫、大丈夫だからね」と言うのです。彼女は「変だな」と思いながらも病院をあとにしました。そして、その帰り道、大きな交通事故に遭ってしまったのです。骨折など怪我こそしましたが、奇跡的に助かった彼女は退院後、母親からおばあさんが亡くなったことを知らされました。それは、自分が事故に遭ったのと同じ時間だったのです。彼女はおばあさんが言った言葉の意味がようやくわかりました。「大丈夫だよ、私が身代わりになってあげるから」という…。 |
|
私が出版社に入社して間もない頃の話です。仕事柄、みんな徹夜が多かったのですが、その日は私だけが徹夜でした。仮眠を取るため会議室のソファで横になっていると、外で人が走る音がしました。会議室のドアは下の方がガラス張りなので、ふと目をやると赤いハイヒールが見えました。おかしいなと思いながらも、編集部の誰かが忘れ物を取りにきたのかなと思いそのまま寝てしまったのです。そして数日後、先輩の話を聞いて震えあがりました。なんと、うちの会社では心霊現象があるらしく、それは、下半身だけが走るというもので、それを見た人は、必ず下半身に怪我をするというのです。私にも何か悪いことが起きてしまうのでしょうか…。怖くてたまりません。 |
|
|
ボタンを押すと、「いただきます」とか「いってらっしゃい」とか、声の出る絵本がありました。ある夜、なんか音がすると思ったら「イッテラッシャイイッテラッシャイイッテラッシャイ…」と絵本の声が聞こえました。ちょっと怖かったのですが、その絵本があるリビングに行くと、音は消えました。部屋に戻ってまた寝ようとすると、今度は「タダイマタダイマタダイマ…」と聞こえてきました。またかと思い、リビングに行くと音は消えました。怖いというよりもイラっとしたので、絵本の電池を取ろうと電池パックを開けると…電池が入ってなかったのです。驚いて、絵本を床に投げつけると、「サヨナラサヨナラサヨナラ…」という声が部屋中に鳴り響いたのです。 |
|
以前から欲しかったヴィンテージの軍モノのジャケットを手に入れた時のこと。夜、寝ていると頭の周りをザッザッザッと歩く音がしました。初めは気のせいだと思っていましたが、それが毎日のように続いたのです。それでもずっと欲しかった服だったので、毎日のように着ていました。そしてある日、かなりお酒を飲んで帰り、その服を着たまま寝てしまいました。すると、いつものように足音が聞こえた後、腕を凄い力で引っ張られました。私は恐る恐る引っ張るほうを見ると、男性の手が。その瞬間から記憶がなく、次に目が覚めると朝でした。夢かと思い、引っ張られた腕を見ると、べったりと手形が付いていたのです。私は怖くなり、その服を手放しました。それからは足音を聞くことも、手が現れることもありません。 |
|
|
|
|
|
|
友人は霊感が強い家系らしく、特にお母さんの霊感が強かったそうです。そのお母さんの義兄が亡くなった夜、夕飯の準備をしているお母さんは、娘である友人に「冷蔵庫から野菜を取って」、「冷蔵庫から卵を取って」、「冷蔵庫から…」と何度も頼み、冷蔵庫に絶対近づこうとしなかったそうです。友人が「自分で取ればいいじゃない」と言うと、お母さんが「だって、義兄さんが冷蔵庫の脇から手招きしているから近づけないのよ」と言ったそうです。 |
|
文化祭の準備のため、学校の倉庫に段ボールを取りに行った時のこと。倉庫にらせん階段があり、下まで降りると、段ボールなどが置いてある地下室があります。そこは昼でも薄暗く、空気もあまりよくありませんでした。早く荷物を運んで出ようとみんなで階段を上がっていると1番後ろにいた子が後ろを見ながら、「早く行かないと置いてかれちゃうよ」と誰かに声をかけているのです。みんなが「ちょっと誰もいないよ」というと、その子はだって「もう1人…」と言って指をさしたのですが、そこには誰もいませんでした。あとから話を聞くと、倉庫は昔、生徒会室だったのですが、生徒会長が自殺し、使わないようになったということでした。 |
|
小学校の夏休み中に、田舎に遊びに行った時のこと。朝起きると、おばあちゃんに「あんた、夜トイレの前でウロウロしてたでしょ?」と聞かれました。トイレに行ってないし、ボケてきたのかなと思い、「行ってないよ」と答えると、「あんたみたいな子がトイレ前の廊下をウロウロしてたのよ!」と言い張ります。あまり気にしてなかったが、しばらくしてお母さんが、「ちょっとトイレの前の廊下来て」というので、行ってみると…そこには水に濡れた子供の足跡がいっぱい付いていました。雑巾で拭いても簡単に落ちず、今でもうっすら足跡が残ったままです。 |
|
|
|
|
|
|
会社の人から聞いた話です。彼女の義兄さんが亡くなったのですが、1人暮らしで孤独死でした。彼女もご主人と一緒に義兄さんのお墓参りをしていたのですが、ちょっと忙しくなり、あまり行けなくなってしまったのです。そんなある日、ご主人の携帯が壊れてしまい、すべてのデータが消えてしまったのです。待受に何か画像が欲しいというので、彼女は以前旅行の時に撮った写真を送ったのです。すると、旅行の写真以外にもう1枚写真が送られてきたというのです。それは、義兄が眠るお墓の写真…。彼女が持っているはずのない写真でした。きっと、義兄が寂しかったのだと彼女は話していました。 |
|
私の美容学校にはある噂があります。昔、1人の生徒がいじめられていました。道具を隠されたり、壊されたり…。気が弱く、暗い子だったので、イジメはさらにエスカレート。練習用のマネキンの髪の毛をぐちゃぐちゃに切られ、顔には落書きがされていました。彼女はイジメに耐えられず不登校に。そして引きこもった末に自殺してしまいました。それからというもの、その子が使っていた棚にマネキンを置くと、マネキンの顔が自殺した彼女の顔に見えるというのです。 |
|
中学生の頃、寝ていると「一緒に来て」という女の子の声が聞こえ、私はなぜだか「いいよ」と答えていたのです。すると、いきなり手を引っ張られ、体が浮いていくような不思議な感覚に陥りました。その瞬間、「駄目」という女性の声がして、浮いていく私の体を押し付けたのです。それから14年が経ち、そんな経験を忘れていた頃、寝ていると金縛りに遭い、男の笑い声とともに足を引っ張られたのです。「助けて」と心の中で叫ぶと、パンと大きな音がして体が楽になりました。すると「クソ、俺と同じ目に遭わせようとしたのに」と男の声が響き、それに対し、「この子はまだこっちにいなきゃ駄目なの」という女性の声がしました。その声は、中学生の時に助けてくれた女性と同じ声でした。 |
|
|
|