TOP > エンターテイメント > 桜塚やっくんが語るヒューマンヒストリー
スケバンのコスプレで彗星の如く現れ、お笑い界に旋風を巻き起こした桜塚やっくん。今やその名を知らない人はいないだろう。ただ、やっくんのここまでの道のりは、決して平坦ではなかった。強い信念と変わらず持ち続けてきた夢があったからこそ今がある。そんな桜塚やっくんの過去から現在、そして「これから」に迫った。
撮影:笹野忠和(Blix) |
桜塚やっくん 神奈川県出身。お笑いタレントから声優、歌手、最近では映画主演まで果たすなどマルチに活動中。ビリヤード、タップダンス、乗馬が得意で、イラストはプロ級の腕前。アクロバットやバク転をこなす身軽さも持ち合わせ、5000冊以上を所有するコミックの収集家でもある。 |
桜塚やっくん:小さい頃から目立つことばかり意識してる「ガキ」だった。ただ、成績は良かったよ。学校の授業って笑いの宝庫でネタになる。だからちゃんと先生の話を聞いてたから(笑)。中学生の頃にはアイドル並みにモテモテだったな。でも、高校は男子校に行ったから、アルバイトと部活にあけくれる毎日で、恋もできなくなりガックリ。でも、そんな高校2年生の時、ふと、「演じる」ということに興味を持って児童劇団に入った。この頃には、「芸能人になる!」って決めていて、大学も演技を専攻したの。 |
桜塚やっくん:役者志望だったけど、これといった方向性は決めてなかった。とにかく、「芸能界に入る」って決め込んでいたから、演技はもちろん、踊りや歌、バンド、お笑いなど色々やったな。雑誌のオーディションも受けたし、劇団にも入った。お笑いコンビを結成したのもこの頃。もともと、人を笑わせることが好きだったけど、悪戦苦闘の毎日だったなぁ。月に1、2回の小さなライブに出るためにオーディションを受けまくっていて、数え切れないほどのネタを作った。人と違うことをやろうって漫才に紙芝居を取り入れた。とにかく地道に努力して、稽古も一生懸命やって、そのおかげで「エンタの神様」に出演できるようになったけれど、「もっと先を目指そう」ってもがいていた。 |
桜塚やっくん:コンビとしての伸び悩んでいると感じたのが一番の理由だった。「5年もやって、これ以上いかないのか・・・」っていう漠然とした不安を抱いたの。誰に言われたわけでもないんだけど、相方も声優という仕事に興味を持ち始めていた頃で、お互い納得して解散することに。だから、ピン芸人になっても不安よりも期待の方が大きかった。自分中心に考えられるようになって嬉しかったな。ファミレスで、ドリンクバーだけで朝から晩までずっと居座って、ネタを書きまくってた(笑)。ずっといると怒られちゃうから、2軒を行ったり来たりしたなぁ。結局、ファミレスの片隅で4ヶ月間も夢を膨らませていた。もちろん、不安が全くなかったわけじゃない。世間的には「解散」したということで消えちゃってるわけだから。でも、自分の才能を信じたの。「自分なら必ず出来る」って。 |
桜塚やっくん:1人になってまず目標にしたのは「エンタの神様」に出演することだった。あの番組の凄いのは、実力があれば素人でも出場できるというところ。ゴールデンタイムの人気番組だからあっと言う間に注目される。「とにかく何か変わったことを始めよう」と思って色々とリサーチしていたら、先輩の芸人さんに「スケバンは?」って言われて(笑)。最初は「女装かよ!ないな」って思ったけど、やるって決めたらとことんやる主義だから、メイクもバッチリで思いっきり女装した。実はね、「これでエンタの神様に出たら絶対売れる!」っていう確信があった。そして、スケバン恐子として「エンタの神様」にネタ見せにいったら、「その格好の意味が分からない! なんで、スケバンがスケッチブック持ってんだ!?」ってボロクソに言われちゃって、アタイも思わず頷いちゃった(笑)。でも、これでもっとやってやろうって開き直って、他のライブ中にお客さんを絡めて好き放題やったら盛り上がった。そのライブを「エンタの神様」の関係者が見ていて念願の「エンタの神様」に出演することになったの。 |
桜塚やっくん:売れると確信はしていたけど、自分の想像を超えていた。初めは、「売れたらこうなりたい、ああしたい」っていろいろ夢を見るじゃない? でも、予測不能なレベルまで担ぎ上げられちゃって、困惑したというのが正直な話。その勢いでいろいろな活動もさせてもらったんだけど、常に不安を抱いていた。だって、芸能界って新しいものが求められて、どんどん新しい才能が集まってくるところだから。自分を常に磨いていないと振るい落とされちゃう。アタイは、確かに宝くじに大当たりしたぐらいのチャンスを掴んだわけだけど、実際は自分の状況がわからなくなっちゃてた。でもね、改めて考え直したの。例えば、宝くじで1億円当たっても、お金って使ってしまえばなくなるでしょ? でも、その1億円を元手にさらに大金を儲ける人もいる。自分はどっちなんだろうかって。 |
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