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「それでもボクはやってない」で昨年の日本の映画賞を総なめした加瀬亮さん。08年も幅広い活躍が期待されており、3月15日公開の映画「犬と私の10の約束」では、これまでとはひと味違った役柄を演じています。今週のUside（ユーサイド）は、そんな加瀬亮さんをクローズアップ。いま乗りに乗っている加瀬さんに、映画の見所はもちろん、犬にまつわる思い出も語ってもらいました。

取材協力：松竹

3月15日（土）より、全国ロードショー
監督：本木克英　原作・脚本：澤本嘉光、川口晴
出演：田中麗奈、加瀬亮、福田麻由子、池脇千鶴高島礼子、豊川悦司　他
上映時間：１時間57分　配給：松竹

犬から飼い主への10個のお願いをつづった作者不詳の短編詩「犬の十戒」（原文英語）。愛犬家の共感を呼び、1990年代後半からインターネットで広まり、世界中の100万サイト以上が取り上げているとも言われる。映画「犬と私の10の約束」は、この「犬の十戒」を元に、少女から大人の女性へ成長していく主人公と犬のかけがいのない10年間を追いかけた。

【ストーリー】：14歳のあかりの家に、前足の片方だけが白く、まるで靴下を履いたようなゴールデン・レトリバーがやってきた。「ソックス」と名付けられたこの子犬を飼うに当たって、母は10の約束をあかりに結ばせる。それは犬から飼い主への10のお願いごとでもあった。こうして歩み始めたあかりとソックスは、多くの時間を共有し、さまざまな想い出を刻み込む。だが、時の経過とともにあかりとソックスの距離は次第に広がっていく。あかりは24歳になっていた。ある日、久しぶりにソックスを抱いたあかりは、10の約束のうちの1つを思い出す。それは、「私は10年くらいしか生きられません。だから、できるだけ私と一緒にいてください」というものだった——。

映画完成披露試写会
2月27日に映画「犬と私の10の約束」の完成披露試写会が行われました。

左から：加瀬亮さん、主題歌を担当したBoAさん、田中麗奈さん、豊川悦司、本木克英監督。犬10応援団としてソックスと一緒に10匹の犬も登場しました。取材陣に撮影について聞かれた加瀬さんは、「犬が現場にいると、スタッフの口調が柔らかくなり、現場の雰囲気も和やかになるんだなと実感しました」。

———映画「犬と私の10の約束」での加瀬亮さんの役どころは？

加瀬亮さん：主人公・あかりの幼なじみのギタリスト・星進を演じています。ギタリストといっても、今回はギターを練習する時間があまりなかったので、パントマイムで頑張りました（笑）。先生が付いて色々教えてくれたのですが、ほとんどギターを弾いたことがなく間に合わず……。その分先生のしぐさなどを見て演技に役立てました。

———演じた星進を加瀬亮さん自身と比べると？

加瀬亮さん：星進はとても素直で、ボクとはほど遠いですね。演技中に監督から「相手の言ったことを真に受けて」といわれたほど。監督からの演出もあまりなかったので、ふわふわした軽い感じで演じようとしていました。ボクの星進のイメージは、自分ではピシっとしているのだけど、他人から見るとぜんぜんピシっとしてない感じの人でした。

———映画は「犬の10戒」がキーワードですが、加瀬亮さんが共感するのは？

加瀬亮さん：2番の「私を信じてください。それだけで私は幸せです」と7番の「私が年を取っても、仲良くしてください」は言われると嬉しいかな。動物に限らず人にもある感情だと思います。人にもあって欲しいです。

———映画「犬と私の10の約束」の見所をお願いします。

加瀬亮さん：主人公のあかりかな。彼女の心の持ち方、素直で普通なところは、ボク自身もすごく好きですね。それから進とあかりのシーンもいいですよ。監督の人柄がよく出ていて、柔らかく、メリハリをつけず、さらりと流れていくような感じ。そんな“ゆとり”や“隙間”が、とてもいい感じに滲み出た作品に仕上がっています。

———実際に犬を飼っていたことは？

加瀬亮さん：小学校までは社宅や団地住まいだったので飼えませんでしたが、中学生になって一軒家に引っ越したので、ようやく。小学生の時分に見た「南極物語」に影響を受けて「リキ」っていう名前の柴犬でした。でも、あんまりいい飼い主じゃなかったんですよ。

———どんな飼い主だったのですか？

よくあるパターンで、飼い始めた当初は散歩にもよく出掛けるけど、段々おじいちゃん、おばあちゃん任せになってしまいました。近所に、愛犬家の社交場のような公園があったのですが、ここも犬を飼っている不良仲間同士が夜になって集まるための場所っていう感じでした。なんだか、自分の都合のいいときだけ可愛がっていたみたいでリキには申し訳なかったですね

———また犬と暮らしたい？

加瀬亮さん：3年ほどでリキは病気で亡くなったのですが、これを反省して「もう動物は飼わない」と決めました。だから、ずっと犬と暮らしたい、という思いはなかったのだけど、先日ムツゴロウさんの番組を見て、また犬が欲しいなって思い始めています。と言っても、最近はほとんどロケで家にいないし、預ける人も探さなくてはならいないので難しいかな。けど、いつかは飼いたいですね。

1974年神奈川県生まれ。2000年に『五条霊戦記//GOJOE』（石井聰亙監督）で映画デビュー。08年も『山のあなた徳市の恋』（石井克人監督）、『ぐるりのこと。』（橋口亮輔監督）、『R246 STORY 〜224466〜』（浅野忠信監督）、『グーグーだって猫である』（犬童一心監督）、『TOKYO!〜インテリア・デザイン〜』(ミシェル・ゴンドリー監督)など、話題作に続々と出演予定。