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SHANGLIRA（シャングリラ）プロジェクトは、1999年にスタートした。メッセージビデオで松任谷夫妻も語っているように、最初はサーカスやシンクロとのコンサートを「いつか出来たら」といった条件付きだった。そんな夢が夢でなくなった1999年のSHANGRILAIでは、ステージ上に大きなスケートリンクを用意。ロシアのアーティスティックサーカスとユーミンとのコラボレーションが高次元で融合した、全く新しい形のエンターテインメントの可能性を切り拓いた、と大きな話題を呼んだ。

その興奮が冷めやまぬ2002年。ふたりはさらに大きな夢と希望を抱き、次なるステップとしてSHANGRILAプロジェクトの第2弾をスタート。正隆氏は、新しい世界を築きあげるべく奮闘した。そして2003年、「SHANGRILA II　〜氷の惑星〜」という夢物語の第2章が実現する。「彼（松任谷正孝）は、私以上に楽曲の解釈が深く広いと思う」。夫に対する絶対の信頼を寄せたユーミンのメッセージが印象深い。ふたりはまさに仕事の上で価値観を一にした理想のパートナー同士であり、我々に驚きと感動を与えてくれるメッセンジャーでもある。　SHANGRILA（シャングリラ）IIの感動は、日本だけではなくアジアにも届けられ賞賛される。このとき、夢物語は終わりを告げるのかと思われたが…。

2006年8月。新たなる可能性を求め、松任谷夫妻が再び立ち上がる。SHANGRILA IIIプロジェクトの幕開けである。「これで最後かな」——そんな正隆氏の決意が込められたIIIは、これまでの夢物語の集大成として、前作より格段にスケールアップされたハードな演出。まさに松任谷夫妻が全身全霊を注ぎ込んだプロジェクトである。「わけもなく涙が流れてしまうショーに」という正隆氏の魔法にかかったように、私はこのDVDを観て思わず涙した。最後までこのDVDにはやられっぱなし……SHANGRILA（シャングリラ）IIIという夢物語に、完全に引き込まれた観衆のひとりとなってしまったのだ。
ひとりの人間の人生観を変えてしまうのではないか、そんなことを思ってしまうほど大きな感動に包まれた夢物語—SHANGRILA—。この一大スペクタクルショーは最終章を迎えたが、再びDVDとなって、我々の手元に届いた。
夢を見るため、感動を覚えるため、ユーミンファンもエンターテイメントファンも、心に沁み入る“何か”を感じる「YUMING SPECTACLE SHANGRILA III -A DREAM OF DOLPHIN-」がある。ユーミンの描いた夢物語、あなたは見逃すことは出来ないはず。