|
|
人が人を作り、それが作品に表れる——
映画俳優としての在り方を、体感した日々 |
——この作品は、河合さんの俳優人生において、どのような
位置づけになりましたか?
河合龍之介:今までと対極にある役だったし、ずっと僕の作品を見てきてくれた方にとっては、ショッキングなシーンもあるから、特別な思いはあります。でもこれは、必ずどこかで越えるべき壁なので、他の仕事と何も変わらないですね。
——成長できた部分はありましたか?
河合龍之介:3割ほどの力の入れ具合で“自分”を表現できたということです。たとえ自分のやりたいことが10割の力で表現できたとしても、それがひとりよがりなものであったとしたら、それは俳優として駄目だと思う。今まで現場に入ると、妙に肩に力が入り過ぎたり、芝居に対する欲が出てしまって、緊張というか、硬直してしまう自分がいたんです。それも少しは必要だろうけど、基本的に、そんな自意識は必要ないもの。それが今回は、リラックスした状態で居られた気がします。あとの7割の可能性が、監督の演出であったり、監督の思い描いているものだったり、スタッフさんの力であったり、それらが合わさって10割になることが、いい作品なのではと思います。本当に和気あいあいとした、いい現場でした。後藤理沙ちゃんとはすごく気があって、休憩中にトランプで遊んだりしてたんですよ!
——出来上がった作品の率直な感想をお願いします。
河合龍之介:女優さんとして素晴らしい人が、監督としてどう飛躍されるのか期待していましたが、やはりいい作品になったと思います。僕、映画が好きでたくさん見てるんですけど、異業種の監督さんが撮影をすると、いい映画が出来ることが多いと感じます。それが映画の力なんですよね。石原監督は演出や出演者への気配りなども素晴らしかったので、これが映像に表れてると思いますね。 |
|
|
|
ライブシーンですかね(笑)。世間的には、DVやラブシーンが激しいんじゃないか?など、その辺りがフィーチャーされてますけど、ライブシーンが華やかでなければ、人気のミュージシャンが、そこから落ちていく姿、変化していく姿のギャップが出てこない。とにかくライブシーンをカッコイイものにしないと、この映画は成り立たないと考えていたので、時間もかけました。没頭できた証しだと思うんですけど、実は、ライブシーンの記憶があまりないんですよ。どんな風に演じるとか頭で考えないで、体で表現していたということだと思うんですけどね。まだ見てないけど、出来上がりが今から楽しみです。 |
|
|